なぜ石橋を守るのか!
                        人類の英知を今に伝えるものとして、極めて貴重な財産である理由
                        
                        
                            
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                                     現代の橋梁の耐用年数が百年程度に対し、石橋はその十倍以上の実績
                                    があります。架設費用を二倍と考えても、石橋の一生にかかる費用は
                                    五分の一以下でしかありません。
                                
 
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                                     現代の橋梁(コンクリート・鉄骨など)は、複雑な工法が多く、その
                                    施工熟練度により、計画された耐用年数を大きく下廻って破壊の憂き
                                    目に遭うものが多いのは、ご存じのとおりです。
                                
 
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                                     石橋はその用途を終えて解体廃棄される場合でも産業廃棄物ではなく、
                                    リユース・リサイクルを重ねることができ、自然に還っていく自然物
                                    であることは、現代工法の将来の方向を示唆するものです。
                                
 
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                                     自然素材を、これ以上の簡素さを求められないまでに、極めて高度に
                                    応用した構造物であり、技術的に重要な価値を持ちます。
                                
 
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                                     石橋の建設の背景には、人文地理・科学や、自然環境との共存の歴史
                                    など、先人の重要な英知が数多く隠されています。
                                
 
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                                     他の多くの石の世界遺産と比較した場合、人類同士・人類と自然環境
                                    の共存共栄を意図したものが多く、今後のインフラ整備の手本として
                                    見つめなおし、未来に引き継がれるべき、重要な地球財産です。
                                
 
                            
                            
                                 以上、私たち建設業に携わるものが、充分理解しているとは思えない重要
                                な事柄が多すぎます。理解が進むまで、可能な限り現状のまま未来の人類
                                に引渡し、歩むべき未来へのお手本として保存すべきだと信じます。